YetiForceCRMは、オープンソースでカスタマイズ性が高いCRMとして知られていますが、実は「財務・経理業務」においてもさまざまな機能を活用できます。顧客・取引先の情報と直接紐づいた形で請求・支払管理や経理関連のデータを管理することで、バックオフィス業務の効率化やミス削減につながります。以下では、具体的な活用方法・アイデア・ポイントを整理してご紹介します。


1. 財務・経理分野におけるYetiForceCRM活用アイデア

1-1. 請求書管理・入金管理の効率化

  • 請求書モジュールの利用・カスタマイズ
    YetiForceCRMには請求書を管理するためのモジュール(または類似モジュールの追加)が可能です。顧客情報・商談情報とリンクして、請求書を自動生成し、PDFで出力・メール送信する仕組みを作れます。
  • 入金ステータスのトラッキング
    入金確認が取れたらステータス更新を自動化し、経理担当者に通知するワークフローを設定。未入金リストの可視化やリマインドメール送信によって、回収漏れを最小限に抑えられます。

1-2. 経費精算・支出管理

  • 経費申請ワークフロー
    従業員の立替経費や交通費などの精算申請をYetiForceCRM内で管理し、上長承認→経理承認→支払処理までのプロセスをワークフローで自動化。担当者への承認依頼メール送信、申請ステータス更新をシステム内で完結できます。
  • 支出管理とレポート
    経費の種類(交通費、接待交際費など)ごとにカスタムフィールドを設けることで、月次・四半期ごとの支出状況をレポート化し、費用分析に活かせます。

1-3. 売掛金・買掛金管理

  • 売掛金の一覧化と督促プロセス
    請求書作成後の売掛金情報を一元管理しておき、期日を過ぎた売掛金には自動で督促メールを送るなどの仕組みをワークフローで構築。
  • 買掛金(仕入先・サプライヤー)管理
    取引先モジュールでサプライヤーを登録し、発注・仕入れデータと紐づけて支払予定日や支払状況を管理。決済処理が完了したらステータスを更新し、経理担当者へ通知するなどの機能を追加できます。

1-4. 見積書・受注・発注管理との連携

  • 商談→見積書→請求書のシームレス化
    営業担当が登録した商談データから、見積書→受注(Sales Order)→請求書発行までを一貫して管理すると、営業・経理双方の入力作業やコミュニケーションコストが削減できます。
  • 発注書管理と在庫連携
    仕入先への発注情報と在庫管理モジュール(標準またはカスタマイズ)を連動させて、入荷予定数や仕入れ原価をリアルタイムに反映。コスト管理の精度が高まります。

1-5. 予実管理・財務レポート

  • 売上・費用データのレポート化
    受注金額、請求金額、入金額、支出などのデータを組み合わせてレポートを作成し、部門別・取引先別に可視化。年度や四半期の予算実績と対比させて、経営判断に役立てることができます。
  • ダッシュボードによる指標モニタリング
    「今月の売上見込み」「未回収額」「主要支出項目」などをダッシュボード上で一覧化し、経営層や財務部門がリアルタイムに数値を確認する仕組みを整えましょう。

1-6. 他システム(会計ソフトや銀行口座管理)との連携

  • 会計システムへのデータ連携
    請求書・支払情報をYetiForceCRMで管理しつつ、月次や随時で会計ソフト(弥生、freee、MFクラウドなど)へインポート・エクスポートする形で二重入力を防ぐ。API連携が可能な場合は、処理の自動化も見込めます。
  • 銀行口座明細との照合
    銀行口座の入出金データを取り込み、請求書や経費精算のステータスを自動照合し、入金消込や支払処理の状況をシステム上で完結させることも可能です。

2. DX化を推進する上でのポイント

2-1. モジュール・フィールドの柔軟なカスタマイズ

財務・経理業務は会社ごとに求める情報やフローが異なります。YetiForceCRMはカスタムモジュールやカスタムフィールドを簡単に追加できるので、自社に合った管理項目を設計しましょう。

  • 必須項目の設定
    「勘定科目」「費用区分」「取引先担当者」「請求書日付」など、経理処理に必須なフィールドをルール化して登録漏れを防止する。
  • ステータス管理を明確に
    「未請求」「請求済み」「入金済み」「支払済み」などのステータスを定義し、それぞれのステータス遷移でワークフローを設定することで、プロセスを自動化しやすくします。

2-2. ワークフローによる自動化・リマインド

  • 期日管理と自動通知
    請求書の支払期日や経費精算の提出期限が近づいたら、自動で担当者や上長にリマインドメールを送信。
  • 承認フローのデジタル化
    経費申請や請求書の発行承認など、段階的な承認が必要な業務について、ワークフローで承認プロセスを定義し、ステータスが変わるたびに関係者へ通知する仕組みを作る。

2-3. セキュリティと権限管理

財務・経理情報は機密度が高いため、アクセス権限を厳格に設定することが重要です。

  • ロールベースのアクセス設定
    経理担当しか見られない情報、経営層だけが閲覧できるレポートなどを細かく制限し、情報漏洩リスクを最小化する。
  • 監査ログの活用
    誰がどのデータを更新したかを追跡できるようにし、不正な操作を早期に検知できる体制を整備する。

2-4. 他部署との情報連携

財務・経理業務は営業、購買、総務など多部門とデータ連携が必須です。YetiForceCRMで全社的に統一したデータベースを持つことで、以下の効果が期待できます。

  • 情報入力の重複・ミス削減
    営業側で登録した受注情報をそのまま請求書作成に流用し、経理側で再入力しない。
  • リアルタイムな業績把握
    営業チームも顧客の支払状況を参照できるため、滞留債権への対策や追加営業アプローチがしやすくなる。

3. 運用・定着化のステップ

3-1. 優先度の高い領域から段階的に導入

  • 請求・入金管理など、影響範囲の大きい業務からスタートし、効果を実感しやすい仕組みを先に整備。
  • 運用後のフィードバックを経理担当者や関連部署から収集し、使い勝手や運用フローを改善しつつ、経費精算・買掛管理などの範囲に拡大する。

3-2. ユーザートレーニング・マニュアル整備

  • 操作に不慣れなメンバーが多い場合、研修やマニュアル整備を行い、初期ハードルを下げる。
  • 設定したワークフローやカスタムフィールドの意図を周知し、入力ルールを徹底する。

3-3. 定期的な分析・レポート活用

  • 月次レポートやダッシュボードで売上、支出、キャッシュフローなどを見える化し、経営判断につなげる。
  • 現場が感じる「不要なステップ」「欲しい指標」を吸い上げて、ワークフロー・レポート設計を継続的にチューニングする。

4. まとめ

YetiForceCRMを財務・経理業務に活用することで、以下のメリットが期待できます。

  1. 請求書・経費・支払などの情報を一元管理し、重複入力やミスを削減
  2. 期日管理や承認フローを自動化し、担当者の負担を軽減
  3. 営業・購買とのリアルタイム連携により、業務効率と経営判断のスピードを向上
  4. ダッシュボードやレポート機能でキャッシュフローや収支状況を可視化

オープンソースの強みを活かして、会計ソフトとの連携やカスタムモジュールの導入など、自社独自のワークフローに合わせた拡張性が高いのも魅力です。最初は重要度の高い業務から導入し、徐々に機能拡張していくことで、バックオフィス全体のDX化を着実に進められるでしょう。