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【SLAポリシー】の活用方法

以下では 「設定手順 → 基本的な使い方 → 運用イメージ」 の三段構成で Processes > SLA Policy 機能を解説します。画面名は YetiForce 7.0.4 (2025年3月時点最新版)の日本語 UI に合わせています。


1. 準備と設定手順

手順作業内容補足
① ビジネス時間帯の定義管理 > システム設定 > Processes > Business Hours で、営業時間(例 : 平日 9:00-18:00 / 土日休)を作成。SLA の計算は「ビジネス時間帯」に基づく。24 × 7 対応を行う場合は終日スケジュールを追加。
② SLA Policy モジュールの有効化管理 > ユーザーとアクセス制御 > プロファイル で「SLA Policy」に ☐ 閲覧 / ✔ 作成 / ✔ 編集 権限を付与。ロールごとに操作可否を制御できる。
③ ポリシーの新規作成Processes > SLA Policy → 「+追加」主な入力項目は下記を参照。
④ 条件と目標時間の設定対象モジュール : 通常は HelpDesk(チケット) – 反応時間 / 解決時間 (分・時・日) – 許容アイドル時間 (カウント停止条件) – ビジネス時間帯 の紐付け – 条件ビルダー : 優先度・カテゴリ・サービス契約など条件ビルダーはワークフロービルダーと同じ UI。複数条件の AND/OR が可能。
⑤ 通知/エスカレーションポリシー保存後にタブ「通知テンプレート」「エスカレーション」を開き、 – メール本文テンプレート – SLA 違反時の自動担当変更やグループ割当エスカレーションは段階的に複数レベルを設定可。
⑥ Cron タスク確認管理 > システムツール > Scheduled Tasks で – SlaPolicy(5 分間隔) – Calculate response/resolve time(1 分間隔)無効化されていると SLA タイマーが更新されない。

ヒント : サービス契約 (Service Contracts) を運用している場合、契約レコードの「SLA Policy」タブからポリシーテンプレートを一括紐付けすることで、チケットに自動適用できます。最新バージョンではこのタブの表示不具合が修正済みです。 (Release notes | Changelog | YetiForce Documentation)


2. 基本的な使い方(ユーザー視点)

シーンどのように機能するか
チケット登録時条件に合致すると、チケットに ①反応期限 と ②解決期限 の日時が自動セットされ、進捗バーが表示(緑 = 正常、黄 = 警告、赤 = 超過)。
ステータス変更「顧客待ち」「許容アイドル時間」で指定したステータスやタグになるとタイマーが停止。
期限超過Cron が「SLA 違反フラグ」を立て、 – 担当者や上位グループへ自動再割当 – メール/通知センターへアラート – ワークフロー条件(例 : reaction_time_exceeded = yes)で追加アクション
ダッシュボードウィジェット「SLA 違反チケット数」「SLA 達成率グラフ」を追加可能。

YetiForce 5.2 以降、チケット画面右ペインに 「SLA Policy」 パネルが追加され、応答・解決の残り時間がリアルタイムに可視化されます。 ( YetiForce 5.2 released! · Issue #11421 · YetiForceCompany/YetiForceCRM · GitHub)


3. 運用イメージ(中小 IT サポート窓口の例)

サービスレベル区分

契約プラン反応目標解決目標ビジネス時間
Gold 24×730 分4 時間24 × 7
Silver 平日2 時間8 時間平日 9-18 時
Bronze 平日4 時間24 時間平日 9-18 時

ポリシー設定例

  1. Gold-Critical
    • 条件 : Priority = High AND Service Contract = Gold
    • 反応 0.5h / 解決 4h / ビジネス時間 = 24×7
    • エスカレーション : 反応ラインの 75 % 時点で 2 次対応チームへ通知。
  2. Silver-Normal
    • 条件 : Priority = Normal AND Service Contract = Silver
    • 反応 2h / 解決 8h / ビジネス時間 = 平日
    • エスカレーション : 超過時に部門長へ割当変更。

KPI レポート

  • 達成率 = (#SLA達成チケット ÷ 全チケット) をレポートモジュールで月次集計
  • 平均反応時間平均解決時間 は数式フィールドで算出し、BI 連携(Looker 等)へエクスポート

4. よくあるトラブルと対策

症状原因と解決策
SLA タイマーが更新されないCron「SlaPolicy」が動いていない → 管理画面で有効化し、cron.php の OS スケジューラ登録を確認。
条件に合うはずなのにポリシーが適用されない①ポリシーが「有効」になっているか ②条件ビルダーの Picklist 値が正しいか ③対象モジュール設定が HelpDesk かを確認。
超過通知メールが届かない①通知テンプレートが空 ②ワークフローメールアクションのメールサーバ設定不備 ③受信者のメール無効/停止に注意。

まとめ

  • Business Hours → SLA Policy → Cron の 3 点セットが正しく機能して初めてチケットに目標時間が表示されます。
  • ポリシーは「条件」「目標値」「通知/エスカレーション」で構成され、GUI だけで細かいルールを組めるため、コード不要で ITIL 相当の運用に対応できます。
  • KPI 可視化・エスカレーション自動化まで含めて標準機能で完結するため、中小企業のサポート体制改善や有償保守契約の品質担保に有効です。

これで SLA Policy 機能の概要から運用イメージまで一通り把握いただけるはずです。導入後のカスタム要件(例 : 契約状況に応じた自動優先度変更)などがあればお気軽にご相談ください。