YetiForceCRMは顧客管理ツールとしてだけでなく、柔軟なカスタマイズ性やワークフロー機能を活かして「設計・製造業務」にも対応できます。設計・製造業務は、製品仕様管理から部品手配、在庫管理、品質管理、納期管理など多岐にわたるため、YetiForceCRMのデータ一元管理・自動化・可視化の強みを活かすとDX化が大いに進みます。以下では、その具体的な方法やアイデア、運用上のポイントを解説します。


1. 設計・製造分野におけるYetiForceCRM活用アイデア

1-1. 設計情報・プロジェクト管理

  • 設計プロジェクトの一元管理
    既存の「プロジェクト管理」モジュールまたは新規カスタムモジュールを用いて、設計プロジェクトの進捗・担当・納期を管理。Ganttチャートやタスクリストによって、複数の設計案件を俯瞰できます。
  • 設計仕様書やドキュメントの共有
    図面や仕様書などの資料をYetiForceCRMのドキュメント管理機能にアップロードし、バージョン管理やアクセス権限を設定。常に最新ファイルをチームで共有することで、設計ミスを防止できます。

1-2. BOM(部品表)管理・購買連携

  • 製品ごとのBOM情報管理
    部品名称、型番、数量、サプライヤーなどの詳細情報をカスタムフィールドで作り込み、製品単位でBOMを管理。BOM更新時に関係部署(購買部門など)へ自動通知が可能です。
  • 購買依頼の自動化
    部品が不足したタイミングで購買依頼を発行したり、在庫が一定量を下回ったら発注ワークフローをトリガーさせたりするなど、手作業による漏れを防ぎます。

1-3. 製造指示・進捗管理

  • 生産計画・製造指示書の管理
    製造現場に渡す「製造指示書」をYetiForceCRM上で作成・管理し、担当ラインや設備情報などを関連付け。PDFテンプレート機能でドキュメント化し、現場へ配布する仕組みも構築できます。
  • 進捗ステータスの可視化
    「製造開始→加工中→検査中→出荷準備完了」などのステータスを可視化し、遅延が発生しそうな工程を早期に把握できるようにする。ワークフローにより、遅延アラートを担当者に自動通知することも可能。

1-4. 品質管理(QA/QC)プロセス

  • 不具合管理・クレーム管理モジュール
    社内で発生した不具合や顧客クレームをチケットとして一元管理し、原因分析から対策までのワークフローを構築。問題が起きた製品や部品のトレーサビリティも確保しやすくなります。
  • 検査チェックリストのデジタル化
    検査項目や判定基準をCRM内のチェックリストとして管理し、合否の結果や日付、担当検査員などをリアルタイムに記録。検査履歴をデータベース化することで、品質改善に活用できます。

1-5. 在庫・サプライチェーン管理との統合

  • 在庫モジュールの活用
    YetiForceCRMの「在庫管理」モジュールやカスタマイズを用いて、部品や完成品の在庫状況をリアルタイムに可視化。安全在庫量を設定し、下回ったら自動アラートや発注ワークフローを開始する仕組みを整備できます。
  • サプライヤー・パートナー管理
    取引先モジュールでサプライヤー情報や契約条件、実績などを管理し、部品調達先とのコミュニケーション履歴(見積・発注・納品)を一元化。納期やコスト管理の精度向上が期待できます。

2. DX化を推進する上でのポイント

2-1. カスタムモジュール・フィールドを活かした業務設計

設計・製造業務は企業や製品ごとに固有のプロセスがあります。YetiForceCRMは柔軟なカスタマイズが可能なので、自社の業務に合わせて独自モジュールやフィールドを追加しましょう。

  • 製品管理モジュール
    製品名、型番、製造工程フローなどの情報を管理する「製品管理モジュール」を新規で作る。
  • 工程管理モジュール
    工程番号、工程名、使用機材、標準時間などを記録し、製品やプロジェクトと関連付けられるようにする。

2-2. ワークフローと自動化

YetiForceCRMのワークフロー機能を用いると、製造指示・購買依頼・検査結果通知などのプロセスを自動化できます。

  • 製造スタートのトリガー
    営業からの受注が確定すると、製造部門への製造指示ワークフローが自動で立ち上がるように設定。
  • 異常検知アラート
    検査工程で不良が一定数発生したら関係者に自動メールを送信し、早期対処を促すなどのアクションを組み込む。

2-3. 他システム(ERP/MESなど)との連携

製造業では、ERP(基幹業務システム)やMES(製造実行システム)といった専門システムとの連携が求められます。

  • API / CSV 連携
    YetiForceCRMで管理しているBOMや在庫データ、発注データをERPに連携したり、その逆(生産実績をCRMへインポート)を実現して、二重入力やデータ不整合を減らす。
  • リアルタイム情報共有
    MESの稼働状況や製造ラインの進捗をCRMで閲覧できるようにし、営業・設計・購買などが統一された情報をもとに業務を進められる体制を作る。

2-4. 権限管理と情報セキュリティ

製品設計情報や製造レシピなど、企業のコア技術に関わる機密情報も多いため、厳格な権限管理が不可欠です。

  • ロールベースのアクセス制御
    設計部門しか閲覧・編集できない情報、製造部門しか閲覧できない情報など、ロール設定を細かく行い、情報漏洩を防ぐ。
  • 監査ログ・履歴管理の活用
    いつ誰が図面やBOMを更新したか監査ログを残すことで、問題が発生した際の原因究明が容易になります。

3. 運用・定着化のステップ

3-1. 段階的な導入

  • 優先度の高い領域から着手
    たとえば「BOM管理の一元化と購買依頼の自動化」など、現場で特に工数が多い業務からスタートし、成功事例を作る。
  • 他部門との連携
    設計だけ、製造だけで完結しない場合が多いため、購買・品質管理・営業など関係部署を巻き込み、合意形成を丁寧に進める。

3-2. ユーザートレーニングとマニュアル整備

  • 操作マニュアル作成
    設計部門や製造部門向けに、実際の業務手順に沿ったわかりやすいマニュアルを用意する。
  • 現場支援体制
    導入初期は操作の問い合わせが多くなる可能性が高いので、専任担当者やヘルプデスクを置き、迅速なサポートを行う。

3-3. 定期的なレビューと改善

  • KPIモニタリング
    生産リードタイム、在庫回転率、不具合件数などをダッシュボード・レポートで可視化し、定期的にモニタリング。改善ポイントを洗い出し、ワークフローや運用ルールをアップデートする。
  • 新機能追加やカスタマイズ
    DXは一度きりで終わりではなく、継続的な最適化が必要。YetiForceCRMの機能拡張やプラグイン導入などで新たなニーズに対応し続ける。

4. まとめ

設計・製造業務においてYetiForceCRMを活用しDXを推進するには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  1. 統合管理と可視化
    • プロジェクト管理・BOM・在庫情報・製造指示など、従来バラバラだった情報をYetiForceCRM上に一元化し、リアルタイムに可視化。
  2. ワークフロー自動化
    • 設計変更時や発注・検査など、現場が手動で行っていた作業をワークフローで自動化し、ミスや漏れを削減。
  3. 他システム連携・データ連携の強化
    • ERPやMESとの連携により、設計・製造現場とバックオフィスが同じ情報を共有し、よりスピーディーに問題解決や意思決定が可能になる。
  4. セキュリティと段階的導入
    • 設計図や製造レシピなどの機密データ保護のための権限設定を厳格に行いながら、最優先で効果の高い領域から段階的に導入を進める。

YetiForceCRMはオープンソースでカスタマイズ性が高いため、製造業特有の複雑な工程管理や品質管理にも柔軟に対応できます。しっかりと業務要件を整理し、段階的な導入と社内教育を行うことで、設計・製造プロセス全体のDX化を大きく前進させることができるでしょう。